2023年03月16日

御田祭をご案内

3月16日(木)

昨日3月15日は、英彦山神宮の御田祭でした。

御田祭は、鍬入れから始まり、畝切り、田打ち、畔塗り、馬杷、杁(エブリ)、種蒔き、
御田植、など田植えの一連の所作を神前で行い、今年の豊作を祈念するもので稲作の
伝統があればこそ、という神事でもある。

英彦山神宮の御田祭は、「松会祈年祭」という神事の中の一つであり、1000年を経て
その古式を守り今に伝えられている。

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奉幣殿の境内に「神の田」が設けられ、一連の所作を演じるのは地元の氏子たちで
粛々と進められる。


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使われる道具には、御幣がつけられ、奉書紙で巻かれたりそれぞれが格調高く、
青々とした石昌(せきしょう)が早苗に見立てられている。


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氏子が扮して孕み女の装いになり、殊更に顔を白く塗り、ちょっと滑稽にも見えるが、
稲の豊かな実りを表わしているのが、飯戴(イイカグメ)だ。
頭上に捧げ持つ飯切り桶には、山盛りにした白飯が椀に入れてあり、カメラマン達の
人気者になるのは毎年のことです。

遠来からは「彦山講」を組みこの日の為に準備をして、集落の代表者が訪れるという
伝統が今に伝わり、この日を境に田畑の仕事が始まる。

いよいよの春の訪れを知らせる、御田祭です。

★ つれづれに一句

  来歴を 語れば長し 御田祭    yamahiko
    ・らいれきを かたればながし おんたさい


伝統の農耕神事ということで参拝者は農家が多いが、今年は関西から大学の
修験道研究の先生方の来訪があった。
いつもは大峰山をフィールドとしながらも、全国の霊山の調査も重ねておられるようで
その一環として英彦山の御田祭を見に来られた。

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御田祭のご案内をして、修験道館の資料を一点づつ解説をして、参道の史跡も歩いて戴き、
休憩場所として用意した財蔵坊に到着。
9時から始めた一連のガイドが終了したのは、15時になろうとする頃。

皆さんお疲れ様でした、そして有り難うございました。
これからも、英彦山を宜しく。

★ つれづれに一句

  案内の 一歩々に 春陽濃し   yamahiko
    ・あんないの いっぽいっぽに はるびこし











posted by yamahiko at 12:26| 歳時記