2023年02月28日

英彦山神宮・潮井取り

2月28日(火)

少しづつではあるが、木の芽、草の芽も膨らんでくるこの頃、もう山気に春は兆している
とは言え、まだまだ春と冬が行ったり来たりの英彦山です。

今日はそんな英彦山に春を呼ぶ神事、英彦山神宮「潮井採り」の出立ちの日でした。

写真をクリックすると、拡大されます。

P1820717.JPG

P2280004.JPG

宮司をはじめ、神官、氏子総代がうち揃い奉幣殿で出立ちの神事を行い、9時ちょうどに
法螺貝を吹きつつ参道を下り出発です。

英彦山神宮の古から伝わる神事の一つが、「潮井採り」です。

毎年2月末日(旧暦の正月26日)に、英彦山の「松会祈年祭」の行事のために、今川、祓川流域の
九里八丁(39キロ)の道を辿り、行橋市沓尾海岸・姥が懐(うばがふところ)で禊をする。
その潮水を竹筒に汲み英彦山に持ち帰り、山内を清める神事が平安時代から連綿と続けられている。

英彦山の家々では、出立ちの一行を見送る。

京都平野の道中の里では、英彦山からの山伏を「やんぶしさん」と呼び、酒迎えの座を設け
五穀豊穣を祈り「貝伏せ」をしてもらい、無病息災を祈願する。
今でもそれは、作法通りに厳粛に守られている。

P2280011.JPG

P2280014.JPG

青々とした竹の潮井筒に沓尾海岸・姥が懐(うばがふところ)で汲み取った潮水を
持ち帰り、山内を清め一年の始まりとします。

一行の帰山は、三月一日のとっぷりと日も暮れた頃。

山から平野そして海へと人々をつなぎ、季節を告げて来た潮井採り。
吹き鳴らされる法螺貝の音は、英彦山に春を呼ぶ伝統の神事でもあります。

★ つれづれに一句

  守り継ぐ 千年神事 春を呼ぶ    yamahiko
    ・まもりつぐ せんねんしんじ はるをよぶ











posted by yamahiko at 10:42| 歳時記

2023年02月25日

突然の霰(あられ)

2月25日(土)

・写真をクリックすると、拡大されます。

P2250001.JPG

まったくこの時期の天候は落ち着かない。

朝からの空模様は晴れたり曇ったりを繰り返していたが、急に暗くなったと
思っていたら突然、バラバラという音と共に霰(あられ)が降り始めた。

P2250006.JPG

P2250005.JPG

P2250007.JPG

たちまち白い世界になったが、それも束の間で何事もなかったような静けさだ。
「三寒四温」というように、こうやって少しづつ本当の春になるんだろうな。

★ つれづれに一句

  照り陰り 激しき三寒 四温かな    yamahiko
    ・てりかげり はげしくさんかん しおんかな






posted by yamahiko at 14:56| 歳時記

2023年02月21日

名残り雪の朝

2月21日(火)

・写真をクリックすると、拡大されます。

P1820694.JPG

先日は春一番も吹き季節の巡りを感じたばかりなのに、早朝からパラりと雪が降り
2月の天候は、まだまだ安心できないものだと思う今朝の英彦山です。


この時期の雪はフワフワで解けやすく、「名残り雪」に相応しい優しさだ。

P2210005.JPG

P1820699.JPG

まだ芽吹きも始まっていない我が家の庭先で、オタフクナンテンだけが
雪景色の紅一点です。

P2210012.JPG

これから日が射し込めば、たちまち解けてしまいそう。

★ つれづれに一句

  春雪に 土の匂ひの ありにけり   yamahiko
    ・しゅんせつに つちのにおいの ありにけり






posted by yamahiko at 10:19| 歳時記

2023年02月14日

いよいよ春へ、「松盛・まつもり」

2月14日(火)

・写真をクリックすると、拡大されます。

P2140003.JPG

山風はまだ冷たく寒の戻りもあるこの頃、それでも早くもフキノトウが
遠慮がちに顔を覗かせている。
こうやって季節の巡りを教えてくれるのは植物だけではない、英彦山にはその節目と
なる年中行事がある。

今日は、英彦山神宮の「松盛・まつもり」だ。

「松盛」とは英彦山の各集落から代表者や氏子総代が集まり、春へ向かう祭りや行事の
役割などの申し合わせをして、心新たにそれに向かうというものです。
彦山の行事、神事の起源を辿るとどれも古く、この「松盛」の文言は、1440年に記された
「彦山諸神役次第」という文書にすでにみられ、連綿と今に伝えられているのです。

春を迎えたとは言え、寒さで息をひそめるようにしている最中で迎える今日の「松盛」、
そして今月末の「潮井採り」で季節の到来を感じる。
やがて三月の「御田祭」の頃から周辺では田畑の仕事が始まり、いよいよサクラが満開のころに
行われるのが「神幸祭」だ。

こうやって月日を辿ると、英彦山だけの歳時記が出来そうなほどそれは多彩で、日々繰り返される
暮らしの中で、ちょっと特別な日の節目がある。

今日の「松盛」が終わり、英彦山はいよいよ春へと向かってゆく。


★ つれづれに一句

  風音に 水音に春 近きこと   yamahiko
    ・かざおとに みずおとにはる ちかきこと






posted by yamahiko at 14:26| 歳時記

2023年02月08日

セリバオウレン

   2月8日(水)

英彦山にはその節目となる行事がたくさんあり、移ろう季節を教えてくれるが、野山の
花たちもその役割を果たしてくれる。

暦の上では春となり、それでもまだまだ寒さで息を潜めるようにしているこの頃だが、もう
そろそろセリバオウレンの開花が近いのではないかと、いつもの場所へ行ってみた。

・写真をクリックすると、拡大されます。

P2080009.JPG


英彦山に春の訪れを告げる花、セリバオウレン。

ようやく蕾が顔を覗かせている。
迂闊にしていると、踏んでしまいそうな小さな花だ。


P2080008.JPG

P2080017.JPG

残雪が完全に解ける頃、本当の開花が始まるだろう。

★ つれづれに一句

  まだ早き 春の花とは 知りつつも    yamahiko
    ・まだはやき はるのはなとは しりつつも








posted by yamahiko at 20:44| 植物・冬