まだまだ冬と春が行ったり来たり、三寒四温の毎日だがやはり少しづつ
春へと歩みを進めている英彦山のこの頃です。
そんな英彦山に春を呼ぶ伝統神事「潮井採り」、その出立ちの朝を迎えました。
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毎年2月末日に、今川、祓川流域の九里八丁(39キロ)の道を辿り、行橋市沓尾海岸・
姥が懐(うばがふところ)で禊をする。
その潮水を竹筒に汲み翌日英彦山に持ち帰り山内を清める、英彦山神宮で平安時代から連綿と
続けられており、毎年この日を迎えると春の到来を実感するものです。
神官、氏子総代が揃い奉幣殿境内で出立ちの神事を行い、9時ちょうどに法螺貝を
吹きつつ参道を下り出発です。
京都平野の道中の村々では、潮井採りの往来を春を告げる季節の行事として、英彦山からの
山伏を「やんぶしさん」と呼び、酒迎えの「接待座」で迎え五穀豊穣を祈り「貝伏せ」をして
もらい無病息災を祈願する。
今でもそれは、作法通りに厳粛に守られている。
山から平野、そして海へと人々をつなぎ、季節を告げて来た神事、潮井採り。
そして、吹き鳴らされる法螺貝の音に、春の訪れを知る神事でもあります。
見送りの英彦山の人達と言葉を交わし、いよいよの出立です。
一行の帰山は明日の夕刻、日もとっぷりと暮れた頃になります。
★ つれづれに一句
朗々と 吹く法螺貝や 春を呼ぶ yamahiko
・ろうろうと ふくほらがいや はるをよぶ