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吹く風に秋を感じる頃になると、阿蘇を目指したくなるもので、先日は草千里周辺を
歩いてきました。
中岳の噴煙は少し治まっているようで、空の雲と区別が出来ないほどですね。
草千里の池は今は夏枯れですが、雨後ともなると水を湛えてここの象徴のような景色になる。
そしてこの池は、英彦山の歴史の伝承地として登場しているのです。
話はこうだ。
1213年の奥書きを持つ、「彦山流記」によると・・・。
まだ彦山と称されていた草創期の頃、木練上人という修行者がいた。
英彦山の玉屋窟(現玉屋神社)で千日修行した後、九州の山々を歩き、阿蘇に至ったという。
阿蘇に着くと、そこには「八功徳水の池」が、美しく澄んでいた。
木練はそこで荒行を重ね、ある時は捨てきれぬ煩悩に苦しみながら、阿蘇山の仏である「十一面観音」を
体得して、悟りの境地に至ったそうな。
木練上人が修行した「八功徳水」の池が、現在の草千里の池であろうと言われています。
今も昔も変わらず噴煙を上げる阿蘇山は、荒行の場として語られるのに、適していたのかも知れない。
そして当時の英彦山は、信仰の山として発展を遂げていた頃で、窟修行などが盛んになり、その代表各
として木練上人の伝承が挙げられたのだろう。
★ つれづれに一句
語り継ぐ 峰を遥かに 風は秋 yamahiko
・かたりつぐ みねをはるかに かぜはあき
さてここから九重の方へグルリと廻り、初秋の一日を遊びました。