2020年03月13日

耶馬溪の競秀峰へ

3月13日(土)

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先日英彦山の智室窟へ行ったので、史跡巡りがしたくなり耶馬溪の競秀峰へ。

ここは菊池寛の小説「恩讐の彼方に(おんしゅうのかなたに)」のモデルとなった
「青の洞門」が有名なスポットです。
かつては難所で遭難者が絶えなかったこの地を、江戸時代の僧・禅海はノミと槌だけを使って
岩壁を掘り、30年もの歳月を経て貫通させたという。

そこに聳える奇岩の景勝はただ眺めていては、その真贋は分からない。
一歩その中に足を踏み入れると、時間が止まったような世界に引き込まれた思いになり、
最近はパワースポットとしても人気を集めているという。
登り口は3ヵ所あるが、今回は洞門橋側から取り付くことにしよう。

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ノミの跡が残る洞門を少し歩き取り付くと、たちまち様相は変わり森閑とした林の中となるが
標識も整えられて安心して進めば好い。
岩場伝いの細い径も、踏みしめられている。

妙見窟に到着。

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妙見窟はこの一帯の中心的な行場であったらしく、かなりの広さで一角にある「妙見宮」には
妙見菩薩が3体、男女神像2体、如来立像が1体安置されて、平安時代のものと伝わる。
耶馬渓の羅漢寺を中心にした信仰圏の一つが、ここ競秀峰であり修行者だけではなく、人々も
通った聖域です。

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山水が染み出した谷々には、サツマイナモリが群生している。

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清水洞。
今でもコンコンと清水を湛えておりこういう場に立つと、信仰者でなくても神妙な気持ちに
なるもので、長年の風雪に耐え、人々の思いが込められているような、英彦山の窟にもある
「気」を感じる。

その昔豊前地方には「宇佐・羅漢・彦・求菩」という言葉があり、それぞれを参拝して、
後生の安泰を願ったという民間信仰です。
その中の耶馬渓の羅漢寺を中心にした信仰圏の一つが、ここ競秀峰であり修行者だけではなく
人々も通ったことだろう。

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陣の岩を目指して、どんどん進もう。
鎖がしっかりと取り付けてあり、標識も目立つので初心者にも歩き易いはずだが、万全の注意で
進む岩場もあり、特に雨上がりなどは気を付けないといけないだろう。

「三陣の洞」を見ながら小休止、そして最後は鎖場を登り切ると「陣の岩」に到着。

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見晴らしが良いですね、ゲンカイツツジはまだ蕾。

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眼下には、青の洞門と山国川が広がる。

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山国川上流を見る、遥か奥にはこの流れの母なる山・英彦山です。

★ つれづれに一句

  見えざりし 母なる山を 望む春   yamahiko
    ・みえざりし ははなるやまを のぞむはる


さて帰りは、弘法寺の方へ下ることにしよう。

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下山すると、里の花たちが出迎えてくれた。
お疲れさまでした。






















posted by yamahiko at 20:46| 山行記録